国家資格が無ければ使用できない医療機器

国家資格が無ければ使用できない医療機器

日本では、医療機器は薬機法にもとづいて厚生労働大臣から承認を受けなければ国内で使用することができませんが、使用者に関しても医療系の国家資格者でなければならず、医療行為の一つとして機器を使う場合は医師の指示を受ける必要があるといった厳格なルールがあります。
例えば、大きな病院の集中治療室(ICU)には大抵、人工呼吸器をはじめとした生命維持管理装置が設置されています。
この医療機器群は、臨床工学技士とよばれる国家資格を持つ者であれば操作が可能です。
臨床工学技士は、法律で指定されている養成施設で一定期間知識や技能を学んだ後、国家試験に合格すれば免許が交付され、医療機関や機器メーカーでの業務ができるようになります。
ただし、患者の治療の一環で医療機器を使う場合は必ず医師からの指示が必要となっており、指示なしに使用をすると、実際に操作した臨床工学技士や指示すべき立場だった医療関係者が罪に問われる可能性があります。

医療機器は審査機関による承認・認証を得ないと販売できない

医療機器は人間や動物の病気の診断、治療や予防を目的として用いられる機械器具等であると法律で定義されています。
そのため開発を経て実用化されるには生命に及ぼすリスクの度合いに応じた調査が必要で、所定機関における承認や認証の取得が求められます。
医療機器は人体へのリスクに応じてクラスⅠからⅣに分類されます。
クラスⅠは生命や健康にほとんど影しないものであり、厚生労働大臣が関係諸機関の意見を聴いて指定します。
医療機器の製造許可をもつ企業が届け出をすればよく審査を必要としないのが特徴です。
Ⅱは生命に影響を与える可能性のある機器です。
第三者登録機関の認証が必要なものと厚生労働大臣の承認が必要なものがあります。
クラスⅢ、Ⅳは人体への侵襲や生命の危機に直結する可能性の高い医療機器で、第三者登録機関による認証と厚生労働大臣の承認が必要となります。
Ⅲは人工骨や透析器、Ⅳはペースメーカや人工心臓弁などで、体内で安全かつ有効に使用するために専門家チームが承認審査をおこないます。

著者:杉崎巖

筆者プロフィール

埼玉県所沢市生まれ。
大学卒業後医療機器に製造会社に就職。
医療機器に関する情報をネットで発信しています。